夏庵`s nest

nest [nest]
1(鳥, 虫, 魚, 小動物の)巣, 巣穴.
2居心地のいい場所, 休み場所, 隠れ場所, 避難所.

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志らくのピン
6/6(月)池袋新文芸座にて
志らく師の落語はおそらくは10年前ぐらいに深夜TV で見たことがあるきりだった。
しかし、そのときの印象は鮮烈だった。
落語の現代性、ということを痛烈に感じた、ように思う...いや、ごめんなさい、正直そのとき何をやったのか、その演題さえも思い出せないのだ。
でも、今になってまた落語を見始めるようになって、真っ先に見てみたいなと思っていたのは、志らく師であった。
折りよく、独演会のシリーズが今月より始まった。
師オリジナルの新作落語「シネマ落語」のシリーズの再演と古典落語のネタおろしが月代わりであるらしい。
よし、これはぜひ観てみようじゃないかと言うわけでこの日の池袋文芸座である。
まあ、いわば映画オタクの総本山みたいな場所ですからね。
そこでシネマ落語、しかも第一回は日本人が好きな洋画おそらくはベスト1ではなかろうかという「ローマの休日」だって。
当日のプログラムには
「青菜」
「唐茄子屋政談」
(仲入り)
「殿様の杯」
「ローマの休日」
とある。
ふむ、シネマ落語とやらはとりにやって、古典も何席か聴けるのかな。
でもなんか、変わった演目だな、なんて思ってたりして。
(続きはネタばれあり。まだ師のシネマ落語を見たことがない人はよまないほうがいいね。)
まず青菜。
昨今の落語ブームの話題で今日はじめて落語を聴きに来た人、なんてのを何気なくフォロー。
次いで、ピアノマンの話題から自身が落語マンだったなんていう枕から本題へ。
枕の話題につなげて、とんちマンなんていうギャグ。
夏の午後の昼下がりの暑気払いの酒の様子はよかったものの、肝心の後半の主人公と客とのやり取りはテンポが早すぎてなんか上滑りのまま終わってしまったような印象。
続く唐茄子屋政談。
全編を語ればかなり長い話である。
この日も前半だけで終わるのかと思いきや、(早とちりの人は前半の切れ目で拍手していた)一気に後半まで。
徳三郎を助けるおじさんおばさんのやり取りが面白い。
いや、やり取りじゃないね。おばさんのほうは実際にしゃべるのは最初にチラッとだけだから。おじさんと徳三郎がやりあってる横でなんかコチョコチョやってんのを、おじさんのほうで一人語りで、突っ込んだり受けたりしてるわけ、その様子が爆笑を誘う。
が、やはりこれも早口で一気に語ってしまう。
大ネタだけにもっとじっくり聴きたかったなとその場は思う。
で中入り後に
「殿様の杯」
やり手の少ない珍しい話らしい。が、実は前日に、ホント偶然に、ある落語本であらすじだけ読んでなんだか妙な面白い話しだなぁなんて思っていたところだったのだ!
ラッキー!な感じでした。
大名遊びの馬鹿馬鹿しさが実に陽気に華やかに語られていて楽しくなってくる。落ちもなんだかシュールな感じ、と、続けて「ローマの休日」。主人公はなんと今の話の花魁ではないか!つまり、映画でいうとアン王女の役柄ね。
では、もう一人の主人公、映画ではグレゴリー・ペック演ずるところの新聞記者は、町の瓦版屋の若造。まあここまでは並みの見立て。
が主人公が仕事しくじって長屋に帰ってくるってぇと近所の植木屋に呼び止められる。植木屋!?そう、さっきの青菜の植木屋である!
さらに、拾った女が今吉原でも人気NO1の花魁だと判り、知り合いの絵師を呼びにいくその途中では、昔世話になった兄貴に唐茄子を売りつけられる...。
そう先ほどまでの噺はこの本篇にいたるまでの前ふりなのであった。
ここから俄然噺は立体感を増し、江戸の町並みが生き生きと姿を現しはじめる。
植木屋や瓦版屋が住んでる、町の長屋。
徳三郎が身投げしようとする、吾妻橋。
花魁の住む世界華やかな吉原。
逃げ出した花魁が遊びまわるのはスペイン広場ならぬ仲見世通り。
そして真実の口の名場面は線香の煙を頭にかけて馬鹿になる、と茶化してみせる。
ローマの休日が、何より観光映画であったことをこの噺は見事に伝えているのだ。
観客は師の語り口にまんまとだまされ、バーチャル江戸浅草ツアーに連れて行かれる。
圧巻のクライマックスは、花魁と、花魁を探しにきた店の若い衆との乱闘シーン。両国の夏の花火の下、唐茄子やの大家に殴りこみをかけるシーンと重ねて描かれるのだ。もちろん花魁の最後の一撃の武器は唐茄子である(笑
最後二人の別れの抱擁シーンは短くあっさりと流し、翌日あわててスクープの絵を描いてきた絵師に「その絵は使えねえ」と語る瓦版屋に「ははぁ、さては惚れたな」と粋に語らせる。さらにその絵師こそ後の東洲斎写楽であると付け加えて、脇役の生かしにも隙がない。
落ちは花魁が「江戸の町で好きなのは?」と聞かれて、「なんと言っても浅草でありんす...」で落とすかと思えば、オリジナルなも一ひねりした落ちで下げてた。でも「浅草で...」で終わってたほうが、なんかすっきりする気もしたなぁ。

ともあれ、大満足の落語会でありんした。
次回は古典落語編。
これも楽しみ。
「シネマ落語」の大ハード編も予約しなくっちゃなぁ。

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