夏庵`s nest

nest [nest]
1(鳥, 虫, 魚, 小動物の)巣, 巣穴.
2居心地のいい場所, 休み場所, 隠れ場所, 避難所.

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子別れ(下) /古今亭志ん朝
志ん朝師は人情噺よりも滑稽話のほうが難しいといい、また自ら演ずるのも滑稽話のほうをより好んだという。(志ん朝の落語2/京須偕充編より)
では、師の人情噺が不出来であるかといえばそんなことあるはずもなく、師の落語のある種の演劇性は人情噺でこそより明確に発揮される場合もあったらしい。
お化長屋/子別れ・下
お化長屋/子別れ・下

この子別れの噺でも、例えば母親が糸を手繰るしぐさ(CDでも観客から拍手があがる様が収められてる)、あるいは嫌がる子供を手元に引き寄せてしかりつけるしぐさなどにある種の演劇的な演出があったそうであるけれど、やはり音だけではなかなかそこまでは想像し難く、そこら辺がCD落語のなんともいえないもどかしさではあるのだ。
じゃあ、やっぱり音だけではなかなか楽しめない部分もあるじゃないか、といえばそんなことは全然ないのですね。
なぜ、僕がこのCDを今回選んだかといえば、正直お恥ずかしい噺なんですが結構聴くたびに目が潤んでしまう、この噺の主人公の熊さんに言わせりゃあ、「バカ野郎、目から汗が出てるだけの話だい!」というところなんで。
そういえばこの話は例の「タイガー&ドラゴン」でも最終話のモチーフになっていてそこでも泣かして(?)くれましたな。
その劇中でも説明があったとおり、「子別れ」は本当はずいぶん長い話何ですね。
もともとの噺の発端は、大工の熊さんが弔い帰りに酔っ払って、仲間と連れ立って吉原に繰り込む廓話で、これが「上」、別題で「強飯の女郎買い」ともいう。
で、挙げ句、熊さんは吉原に3日も居続けて家に帰るが、体裁の悪さからつい女房に向かって女郎とののろけ話を始めてしまい、愛想を尽かした女房は子供をつれて出て行ってしまう。熊さん、これ幸いと後釜にその女郎を家に引き込むがこれがまたひどい女でというのが中の部。
で、3年後。すっかり改心して酒もやめた熊さんが、たまたま道端で子供と出会い、その出会いがきっかけで女房とも縒りを戻すというのが、この「下」の部分、別題で「子は鎹」というお話なのでした。

だから、もともとは人情噺というのでもないのでしょうね、この噺は。
落ちもあるし。通常、人情噺は落ちがつかないとされてるのです。
だけど、やはりこの「下」の部分だけ聞けばやはりなんだかしみじみと泣かされてしまうんだな。

特に志ん朝師の噺では人物それぞれの造型が良い。
熊さんは昔の無頼を感じさせない立派な親方風情も良いと思う。(これはそうじゃないという人もいるだろうけど)子供の亀吉のこまっしゃくれたかわいさはこれはもう、なんともいえないし、そして女房の、子にも旦那にもあまり寄りかからない凛とした性格、それでいて二人に対する愛情は充分に感じさせる表現というのは志ん朝師での噺ならではなのではないだろうか。

最近は本でも、映画でも「泣ける」が何よりのキーワードですが、正直あんまり、泣ける泣けるいわれてもしらけちゃうよな。
笑って笑って、でなんだかいつの間にか泣けちゃってるような、こんな噺を聴いてるほうがよっぽど、、、なんて思ってしまうのは、やはり老人趣味だと笑われてしまうのでしょうか。
| 落語 | 18:07 | comments(0) | trackbacks(0)
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