夏庵`s nest

nest [nest]
1(鳥, 虫, 魚, 小動物の)巣, 巣穴.
2居心地のいい場所, 休み場所, 隠れ場所, 避難所.

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サンタナ
「大人のロック」を考えるー



 つい先日ニューアルバム「オール・ザット・アイアム」をリリースしたばかりのサンタナ。
 思えば、いわゆる「大人のロック」というモノが、ひとつの傾向として本格的に取りざたされるようになってきたのは、彼の1999年の作品「スーパーナチュラル」の大成功がひとつのきっかけではなかったか。
 デビュー30周年の記念作にして、7年ぶりの復活作は世界中で大ヒット、グラミー賞9部門の最多受賞、そしてそれに続くラテンミュージックブームと大きな話題になった作品であったが、日本においてはその辺の熱狂振りが今ひとつ「?」な感じだったことも否めない。
 
 日本の僕等の世代のロックファンにとってサンタナはやはり「哀愁のヨーロッパ」に代表される「泣きのギター」の人というイメージで、どちらかというとちょっと「ダサい」イメージがあったと思う。なんかこう、歌謡曲的フレーズというか。
 70年代後半以降はどちらかというと宗教狂いのオッサンていうイメージも強かったし。

 もともと日本人に「ラテン・ロック」は馴染まないんじゃないか、というのもありました。その過剰な官能性というかね、生理的な部分に訴えかけるようなところがちょっとこっぱずかしい、みたいなね。

 で、僕にとっても最近のサンタナというのはそれほど熱心に聴いているというのでもない。というか「スーパーナチュラル」は一応聞いたけど、やはりそんなに夢中になれる感じではなかった。

 ただいまだに何度も繰り返し聞いてしまうサンタナのアルバムもあり、それはこれなんですね。

サンタナ
サンタナ




 
 僕にとってサンタナは、「ウッドストック」の映画でのイメージ、それに尽きるのだ。
 僕にとってのサンタナはギターの音ではなく、あのモーレツなパーカッションのリズムなのだった。
 あの映画でのサンタナのステージというのはホント、強烈というかかっこいいんだなぁ。それまで正直退屈な部分も多くて、半分寝てたところをあのリズムでたたき起こされたもんナ。
 あの、とにかく熱く野蛮で原始的とも言ってもいいような強烈なパッションが感じられる音源はやはりこのファーストしかないのだ。
 もちろんこの後の「アブラクサス」から「キャラバンサライ」までのアルバムはどれも素晴らしいし、むしろ音楽の完成度ということでいえばこのファーストアルバムは到底かなわないところはあるのだけれど、この荒々しさ、ロックミュージックの原点にして本質的な魅力というのは何度聞いても引き込まれてしまう。
 で、このCDのほうにはその「ウッドストック」でのライブ音源も三曲(もちろんソウルサクリファイスも!)入ってるのがまた素晴らしい。

 最近また改めてサンタナを聞くようになったのは、まず友人との話のなかで話題に出たのもきっかけだし、あるジャズライブで、それはオルガンとドラムが中心の編成でジャズというよりはソウル系の乗りの強いライブだったんだけど途中で加わったギタリストがいきなり「哀愁のヨーロッパ」をやり始めたのね。で、やっぱ一瞬観客も思わず笑っちゃう感じなんですね。その後はワーッと盛り上がるんだけど。
 なんかあのメロディーはやっぱりいきなり照明がピンク色になっちゃうような、ミラーボールがまわりだしちゃうような、雰囲気がらりと変えちゃう破壊力がありますよね。なんかすげぇな、と思った。
 後はクレイジーケンバンドのライブ。
 もともとラテン系のリズムがすごく入ってるバンドなんですけど、特にギターの小野瀬雅生が中心になってやるインストのナンバーは思わず身を捩じらせてため息ついちゃうぐらい、カッコイイのよ。で、「ああこれはサンタナ」だなーっと。
 でも改めて聞いてみるとそういうパブリックイメージのサンタナと少し違うところで僕はカルロス・サンタナ本人というより初期のサンタナバンドが一番好きだったんだよなと思いだいしたのでした。
 今でこそいぶし銀の、でもあまり枯れることない今だ色っぽさムンムンの大人のロックミュージシャンという感じのサンタナですが、でも、改めて聞き返してみると僕にとって一番カッコイイサンタナは、若くて、ガキで、めちゃめちゃヤンチャな頃のサンタナバンドなのだった。

スーパーナチュラル
スーパーナチュラル
天の守護神
天の守護神

キャラバンサライ
キャラバンサライ


 80年代の「宝島」にVOWという読者投稿のコーナーがあって(街の変な看板とかそういう奴ね)、「ロックン川柳」というコーナーがあったんだけど、そこで、みうらじゅんだかの句で、
「サンタナの ジャケット広げて たためない」
というのがあって、なんだか妙に大笑いしてしまった記憶があるのだが、いまやもうそんなのはネタとしても通用しない時代になってしまった(...)。
 しかしそんな時代になっても、「オイエ・コモ・バ」の邦題が「ぼくのリズムを聞いとくれ」で統一されてるのは早く誰か何とかすべきではないだろうか。



 
| music | 06:26 | comments(8) | trackbacks(0)
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コメント
 最初がサンタナって、ヤノケン氏のリクエストですかやっぱ(笑)。
 たためなくなっちゃうのは『ロータスの伝説』ですね。横尾忠則デザインの。一度CDでもジャケ再現して出たことありますが、やっぱオリジナルLPじゃないとあの無謀さは分からんよなあ。これとマイルスの『アガルタ』は横尾つながり?でよく聴きます。
 ウッドストックは80年前後のあたりの大晦日(か正月)に何回か深夜TV放送してましたよね。それで初めて動くのを観たあの映画のサンタナはずーっと目ぇ瞑って完全にトランス状態というか涎垂らすんじゃねえかという感じで、かつルックスも凶悪な雰囲気で最高でした。ほら、俺らがロックを聴き始めた70年代後半にはもう柔和な人格者っぽい見かけになってたじゃないですかサンタナって。だからよけい衝撃的でしたね。
 「ぼくのリズムを聞いとくれ」は、ティト・プエンテのオリジナルの邦題がそうだからなんじゃないかな? プエンテの日本盤ベストが見つからないので確信はないですが。
 続き期待してます〜。
| riwasaki | 2005/11/21 4:32 PM |
>riwasakiくん
そう、確かにヤノケンの話もあったんですけど、個人的にも最近サンタナって結構聞いてたんですよね、クレケンがらみで(笑。
ラテンものって好きみたいなんです、どうも。
ただ初期のサンタナってラテンていうイメージのある種の軽薄さと別の、もっと重たいというか、なんか呪術的ともいうような、もう抜け出せなくなるような独特のリズムの魅力があったと思うんだよなー。
確かに、「オイエ・コモ・バ」はサンタナ以前にマンボの定番曲という歴史もありますからね。
でも、日活アクションの小林旭の登場シーンと同じイメージでサンタナのあの曲というのも、なんだかなぁ、という気もするんですよねぇ。
| 夏庵 | 2005/11/21 9:42 PM |
久しぶりにコメントさせていただきます。ブログは毎日読ませてもらってます。ここのところずっと、すごく内容充実してますね。

ところで「オイエ・コモ・バ」は私の中ではサンタナテーマ曲みたいな感じなのですが、もとはマンボの定番曲ですか。しかも邦題が「ぼくのリズムを聞いとくれ」ですか。勉強になりました。
| ヤノケン | 2005/11/22 2:37 PM |
>ヤノケン
サンタナは新しいアルバムのツアーとかで日本には来ないんですかねぇ。
やっぱりライブはすごい良いんじゃないかと思うんですよね、この人たち。
| 夏庵 | 2005/11/22 4:23 PM |
>夏庵
こないだのライブですけど、前座がすごく長かったです。
最初にサルバトーレ サンタナ バンドというのが出てきました。サンタナの息子らしいんですけど、グッとくるところが何もない演奏で、不肖の息子って感じでした。
休憩の後、もう一つの前座が30分くらいやりました。これはけっこううまかったです。
それでまた休憩があって、それからサンタナ先生でした。出てきたときにオーラが出てましたね。前座の方々とは全く音が違うんですよ。
サンタナ先生の出番は全部で1時間半なかったくらいです。ご老齢ということもあるでしょうけど、やっぱりああいう弾き方する人はそんなに長時間は続けて弾けないのかな、とも思いました。
| ヤノケン | 2005/11/23 1:33 AM |
>ヤノケン
そっかー、御大は1時間半しかやんないのかぁ。
結構向こうでのコンサートってそういうスタイルが普通なんですかね。
他の大御所アーチストでも、今回のツアーのサポートバンドは誰々が、みたいのがニュースになりますもんね。
| 夏庵 | 2005/11/23 8:33 PM |
偶然というかグッドタイミングというか、つい昨日、サンタナの新しいライヴDVDの見本盤をBMGジャパンから頂きました。
#最早ライター業は引退したも同然なんですが、ここだけは未だにいろいろ送ってくれるのです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000BM6IF8/
これ。
見ての通り、まだまだ元気に“僕のリズムを聞いとくれ”です(笑)。
“ソウル・サクリファイス”も演ってますが、当然ウッドストックのようなヒリヒリする緊張感はなし。でも楽しめる内容だとは思います。
そのうち鑑賞会でもやりますか。
| riwasaki | 2005/11/26 12:57 AM |
>riwasakiくん
新旧のヒット曲を満遍なくやってくれててる感じですね。
こういうのはやっぱり楽しいよなぁ。
そういえば、昨日「めざましTV」(おいおい、またそれか、笑)でサンタナの新曲のPVをちょっと流してた。今度はスティーヴン・タイラーと一緒にやってるらしい。テロップでスティーヴン・タイラー(57)と出てたのに軽く驚いた。
もうそんな年なんだなぁ。もっとも娘だってもう結構いい年なんだから、当たり前の話だけど。
| 夏庵 | 2005/11/26 7:57 PM |
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