夏庵`s nest

nest [nest]
1(鳥, 虫, 魚, 小動物の)巣, 巣穴.
2居心地のいい場所, 休み場所, 隠れ場所, 避難所.

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今夜も落語で眠りたい/中野翠
現代において落語を楽しむ最良の手段は、CD、もしくはipod,であると言い切ってしまおう。

今夜も落語で眠りたい
今夜も落語で眠りたい
中野 翠

CDで落語を楽しむための(今のところ)最良のガイドブックじゃないかな。
以前にも紹介した京須偕充さんの著書「古典落語CDの名盤」は、叙述の多くを噺のあらすじなどに割いてしまっていて、噺の紹介であるならば他にいくらでも名著はあるし、多くの演者、噺を取り上げようとするあまり、特にこれから「落語でも聴いてみよう、かな」なんて思ってる初心者にとっては、「で結局これのどれから聞き始めればいいわけ?」という気になってしまう、内容としてはやや散漫なものでしたけど、今回の中野翠さんの著書は、ご自身の、落語なんかにまるで興味のもてなかった人間が、いかにしてそれにはまり込んでいったかという経験談プラス、噺そのもののの筋立ての面白さ、演者それぞれによって千差万別の聴き比べの楽しみや、魅力的な落語的人物造型、その世界観といったものまで過不足なくまとめていて、まさにこれから落語でも聴いてみたいナー、という人には絶好のガイドブックではないかと思います。
落語は、その魅力がなによりも舞台上でのライブにあるのであり、当たり前のことながら、演者の仕草、表情、も含めた上で初めて完結する表現であるということは、これはもう大前提で、それでもなお、その噺の音声だけを取り出して聴くというある種いびつな行為にも、例えばこの中野翠さんのように眠る前のひと時に聞く心地よい誘眠装置という役割であったり、あるいは僕なんかは夜に一人で飲みながら聴いたりするんだけど、そんな時は寧ろ映像はないほうがいい、音にだけただ耳を傾けて、ちびちびと飲んだりつまんだりという時間が実にこー、良い塩梅だったりするわけですな。
なーに、特別、その道の通人を目指そうというのでなし、気楽に自分にあったスタイルでただ楽しんで面白がればいいの、たかが落語だもの。
そう、そのたかが落語という、それでもなお、素晴らしく洗練された日本文化最高の舞台芸術でありながら、実は何のエクスサイズなしにすっとその世界に入り込める間口の広さもあり、にもかかわらず、何故か一般的には敬遠されがちな、かつての大衆娯楽の王様という微妙な立場の存在を、ただ個人の興味、好奇心から(すなわちミーハー精神ということ)から手を出して、どんどんはまっていって、「私は落語中毒(ジャンキー)」と宣言し、「落語こそ日本文化最大最高の遺産」とまで言い切りながら、「でもやっぱり私って、この道の通には絶対なれない」とする著者のスタンスがなんとも潔い気がする。
とにかくこの本を読んでいると、著者の中野さんの、落語へ目覚めたきっかけとか、それからはまっていく経緯とか、あるいは今現在の落語との付き合い方とか、とにかくすごい似てるんですよね、自分と。

この本が多くの人に読まれて、世の中にもっと「CD落語」愛好者が増えるきっかけになるといいなぁ、と切に願っております。
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